「オペラからヘヴィメタルへ、一曲の中でドラマチックに変化。」
ElevenLabs Music v2が誇るジャンル転換能力を、歌詞付き楽曲とインストゥルメンタル楽曲の二つの側面から、Suno v5.5と徹底比較検証しました!
こんにちは、Sonetho(イレブンラボ・ラボ)です。⚡
前回の記事では、同じ歌詞・同じジャンルという条件下でv1・v2・Sunoを比較し、「v1からv2への明確な進化、Sunoとの間にはまだ超えるべき壁がある」という結論を出しました。
今回はさらに難易度の高い課題、「一曲の中でジャンルが切り替わる能力」を検証します。
ElevenLabs Music v2発表時のハイライトの一つが、「オペラからヘヴィメタルへの自然な転換」でした。
それが実際に可能なのか、そしてSuno v5.5はこの課題をどうこなすのか——二つの実験を通して探ってみました。
結論から言うと、両者ともに「ジャンル転換」という難題に対して、異なる限界と強みを見せました。
Eleven v2はジャンルを明確に切り分けようとしますが転換点でモデルが不安定になりやすく、Sunoは完成度は高いものの二つのジャンルを融合させてしまう傾向にあります。
🧪 実験設定
実験1:歌詞付き楽曲 — オペラ(ベルカント)→ ヘヴィメタル。
ボーカルがオペラ調からディストーションの効いたスクリーム/パワフルなロックボーカルに変化するか、セッションの盛り上がりがボーカルの転換と同期しているか実験2:インストゥルメンタル楽曲 — ボーカルなしで、オーケストラセッション → メタルバンドセッション。楽器のステム分離とトランジションの精巧さのみで比較
モデル: Eleven Music v2, Suno v5.5
モード: Custom(歌詞・プロンプトを直接入力、同一条件)
🎤 実験1:歌詞付き楽曲 — オペラはヘヴィメタルに化けられるか
スタイルプロンプト
歌詞(構造タグで転換地点を明示)
(Grand orchestral strings fade in)
(Soprano warming up: Ah-ah-ah)
[Verse - Opera Style]
The curtain rises, the stage is set
An ancient sorrow, a grand regret
O, fate divine, hear my lonely cry!
(Symphonic choir rising in background)
[Pre-Chorus - Rising Opera Climax]
The lights are fading, the shadows grow long
This is the end of the beautiful song...
(High opera belt, holding the final note)
[Sudden Metal Transition]
[Heavy Metal Drop]
(Boom! Heavy guitar distortion crash, aggressive blast beats)
[Chorus - Heavy Metal Style]
Now smash the walls! Break the chains!
Feel the fire runnin' through your veins!
No more silence, scream it out loud!
We are the chaos, we rule the crowd!
[Outro]
(Screaming: Yeah! Burn it down!)
(Heavy guitar solo riff chugging)
(Sudden hard stop)
① Eleven Music v2 (1回目)
② Eleven Music v2 (2回目)
③ Eleven Music v2 (3回目)
👍 良かった点
ジャンルの区分けは明確です。オペラパートではしっかりとオペラらしい楽器構成(弦楽器・コーラス)になり、ボーカルもソプラノの歌唱法で歌い上げます。
ボーカルのクオリティ:出力ごとにリバーブの掛かり方は異なりますが、オペラパートに関しては聴き応えがあります。
👎 残念な点
メロディ構成がやや単調。似たメロディラインが繰り返される印象を受けます。
重要な観察 — ヘヴィメタルへのトランジションで安定性が大きく低下しました。
拍子・楽器・ボーカルの整合性が崩れ、曲の形を保ちにくくなる場面が多々ありました。3回生成しても同様の結果でした。
(ElevenLabsのクレジットが……。1回で済んだSunoに対し、v2は3回試しても安定した結果が出ませんでした)
④ Suno v5.5
(1回の生成で2曲出力されたうち、再生成なしの1曲をそのままアップロードしました。)
👍 良かった点
楽曲としての完成度は非常に高いです。リズム、ミキシング、ボーカルのすべてが洗練された状態で出力されます。
1回の生成で安定した結果が得られ、モデルが破綻することもありませんでした。
👎 残念な点
ジャンルの切り替えが曖昧です。
オペラとヘヴィメタルが交代するのではなく、二つが混ざり合った「シンフォニック・メタル」のようなハイブリッドジャンルになってしまいます。構造タグで「Sudden Metal Transition」と指定しても、「急激な転換」ではなく「緩やかな融合」として解釈されます。
🎼 実験2:インストゥルメンタル楽曲 — ボーカルなしでの転換
今回はボーカル要素を排除し、純粋に楽器セッションのビルドアップ、ドロップ、入れ替えのみで比較します。v2が強みとする「楽器の分離能力」が試される場面です。
スタイルプロンプト
(歌詞なし)
⑤ Eleven Music v2
おお……これは明確にジャンルが切り替わるトランジションが成功しています!
オーケストラがビルドアップし、そこからメタルセッションへと明確に断絶・移行が行われました。BGM制作におけるElevenのポテンシャルを強く感じました。
⑥ Suno v5.5
やはり今回もハイブリッド化しています。オーケストラとロックが融合した「シンフォニー・ロック」になってしまいました……!
完成度は素晴らしいのですが、「転換」というよりは「融合」です。
📊 総合評価
🎯 二つのモデルのキャラクターの違い
Eleven Music v2:「ジャンルを分離して明確に表現しようとする野心的なモデル」。ジャンルの書き分け能力はv2の方が確実に優れています。
しかし、歌詞付き楽曲でジャンルを転換させようとするとモデルが破綻しやすいです。
まだ発展途上。Suno v5.5と同等の安定性を得るには、さらなる学習とチューニングが必要でしょう。
Suno v5.5:「完成度重視の安定したハイブリッドモデル」。常に高品質で聞き心地の良い楽曲を出力します。
しかし「急激な転換」を求めても、安全な融合として解釈してしまいます。作曲ツールとしては安定していますが、実験的な転換は苦手です。
🎼 BGM制作におけるEleven Musicの可能性
歌詞のないインストゥルメンタルでの転換において、Eleven Music v2は確実に勝っていました。
ボーカルという不確定要素がなければ、意図した通りにジャンルを切り替えられます。
BGM、ゲーム音楽、映像サウンドトラックなどの領域では、十分に競合できるレベルにあると言えます。
🔮 次のモデルに期待すること
v2が示した「ジャンルを分離する」という方向性は間違いなく重要なステップです。
Sunoのように「混ぜる」のではなく、「切り分けて転換する」方が難易度は高いですが、より音楽的にエキサイティングな結果を生む可能性を秘めています。
ボーカルと転換の両立時に発生する破綻さえ解消されれば、v3や今後のアップデートでとんでもない進化を見せてくれるはずです。
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🔮 次回予告
次回はElevenLabsが誇るもう一つの新機能、「ステム編集機能」を徹底検証します。
生成された楽曲からボーカル、ドラム、ギター、シンセを別々に抽出し、リミックスできるとのこと。どの程度の精度で分離されるのか、Sunoのステム機能とも比較して検証する予定です。
お楽しみに! 🎬
📚 おすすめの過去記事
皆さんもぜひ上記トラックを聴き比べて、「ジャンル転換」という課題でどちらのモデルがより挑戦的だったか、コメント欄で教えてください! 🎵
Sonetho ⚡